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てぃーだぬふぁー通信 第9回 - 浦西中学校 大城涼代校長

◆地域教育情報 『 てぃーだぬふぁー通信 』 は、学校・PTAと地域を結び付ける社会教育活動として行っています。どうぞ宜しくご愛読ください。

 

浦添市立浦西中学校
校長 大城涼代

◆ 文武両道の花咲く浦西中

 本校は、浦添市立浦添中学校の分離校として平成4年に創立、今年で16歳を迎えますが、14学級、生徒数433名、職員34名の、中規模で落ち着いた学校です。
 「浦添ようどれ」を望む赤瓦の校舎、マラソンコースのある広い敷地は本校の自慢の一つで、特に体育施設はスポーツを愛する地域の方々に開放し活用してもらっています。
 創立以来「文武両道の花咲く浦西中」をスローガンに、生徒職員・保護者が一丸となって活力ある学校づくりに取組んできた結果、読書活動優秀校受賞(平成13年度文科省)、全国ハンドボール大会男子優勝(平成14年度)、県新人サッカー大会優勝(平成19年度)などに輝きました。
 さらに、生徒によって毎月発行される「学級読書通信」はすっかり定着し、今では、浦西中学校の伝統にさえなっています。

 

 

◆ 校訓 「至逞」

 生徒玄関の前に「至逞」と刻まれた石碑があります。これは平成9年に創立5周年を記念して建立されたものです。
 「至逞」は「してい」と読み、この上ない逞しさを求めて生きるという意味があります。
 以来、本校ではこの言葉を校訓として大切にしています。
 

 

 

◆ 本校の表玄関「スマイル通り」

 正門から体育館に至る小径には様々な木が植えられていて、四季折々の花を咲かせてくれます。桜、羊蹄木、くちなし、トックリキワタ、初夏はピンクテコマが満開です。
 これまで、この小径に名前はありませんでしたが、浦西中学校の表玄関ということもあり、昨年、生徒から名前を公募しました。
 その結果、1年生の石川なつのさん・与那嶺由佳さんが爽やかで健康的な「スマイル通り」という名前を付けてくれました。浦西中学校のイメージにピッタリの名前ですね。
 


(左側にちょうどピンクテコマが咲いています)

 

 

◆ 本校のマニフェスト(公約)

1. こんな学校づくりをめざします


2. 教育目標を具現化するために次のことを重点的に取り組みます


3. 豊かな人間性を育成します



4. 特色ある学校づくりを進めます

 

 

◆ 特色ある教育活動

◆ 初めての関西旅行

 本校は創立以来14年間、北九州への修学旅行を実施してきました。しかし、今や高校生も海外に行く時代。いつまでも九州にこだわることもないだろうというわけで、平成18年度は初の関西旅行が実現しました。
奈良→京都→大阪をまわる2泊3日の旅でしたが、「紅葉を見ることができた」「日本の歴史や文化に触れることができた」「沖縄では体験できない寒さを味わうことができた」「京都市内の自主研修は道が碁盤の目のようになっていて迷うことがなかった」「USJはやっぱり最高だった」などという感想からも関西旅行の素晴らしさが窺えます。
 今年も昨年同様、12月に関西旅行を予定しています。
 

いよいよ出発

日本人形のような舞妓さん

法隆寺は雨だった!

広大なUSJ

 

◆ 日曜参観

 6月3日、平日は忙しい保護者の皆さんに、ゆっくり子供の授業を見てもらうため、日曜参観を実施しました。休日だけあって200名余の出席があり、子供たちも大喜び。
 両親そろっての参観に、見るからに緊張し、居眠りどころではない生徒。いつもより積極的に発表している生徒。普段の授業とひと味違う授業参観の一コマでした。

 

校内合唱コンクールで学級の心が一つに

 練習期間を通して学級が一つにまとまるのが合唱コンクール。放課後はもちろんのこと、学活、休憩時間、はては、級長の指導の下、早朝練習までして本番に備えます。最初は声を出さなかった生徒たちも、本番直前には大声で歌えるようになるからたいしたものです。
 少し自信なさそうな一年生。自信はあっても全体的に声が揃っていない二年生。声量、ハーモニー、曲の理解、どれをとっても素晴らしい三年生。学年の成長段階がはっきり見えるのも合唱コンクールの特徴の一つです。
 賞に向かってどの学級も猛練習をするのですが、終わってみると、その過程で各学級とも心が一つになっている、そのことに気づくのも合唱コンクールのよさです。



◆ 総合学習で牧港川にコスモス

 1年生は「総合的な学習の時間」で、環境コースと福祉コースに分かれて学習をしていますが、環境コースでは市の環境保全課の指導のもと、牧港川に清流を取り戻す取組をしています。清掃をしたり、EM菌を流したり、ゴミの不法投棄禁止の看板を設置したりしていますが、雨の降らない真夏には流れが淀み悪臭を放っています。
 そこで、牧港川のイメージを少しでもよくしたいと、生徒達が土手にコスモスを植えました。草を刈り、肥料を入れ種を蒔く。当番を決めて、毎日水をやる。世話をした甲斐があって夏に蒔いた種は秋の学修発表会にあわせて見事な花を咲かせました。
 

◆ 8つの部が県大会へ

 本校では全生徒の70パーセント近くが部活動に加入し、顧問・外部コーチの指導のもと日々の活動に励んでいます。6月15日〜17日には待ちに待った那覇地区中体連夏季総体が行われ13の部活動が参加しました。
 あいにくの梅雨空でしたが、どの部も思う存分練習の成果を発揮し、男女ハンドボール部、男女バレーボール部、男子バスケット部、サッカー部、水泳部、柔道部の8つの部が県大会の出場権を獲得しました。
 


◆ 鏡が丘養護学校の生徒を迎えて交流学習

 今年で8回目を迎える鏡が丘養護学校との交流学習が12日に実施されました。

 今年は4名の生徒を迎え、全校朝会で歓迎セレモニーを行いましたが、一人一人が大きな声で堂々と自己紹介。受入れ学級では教室移動の際に車イスを押したり、好きな音楽やタレントについて話したりして交流を深めました。

◆ 八尾中学校と伝統芸能交流会

 5月18日、修学旅行で沖縄を訪れた富山県富山市立八尾中学校の3年生(133名)と伝統芸能交流会を持ちました。八尾中学校は「おわら風の盆」で有名な八尾町を校区に持ち、伝統芸能教育を特色の一つにしている学校です。
 浦西中学校は、運動会、学習発表会、チャリティー芸能祭で空手やエイサー、琉舞、太鼓、獅子舞等の発表があり、生徒達は日頃から郷土芸能に慣れ親しんでいます。
 そこで、交流会を通して、沖縄と本土の歴史、文化、その要因をなす地理的条件の違いなどに気づかせたいと考え実施しました。交流会は全生徒が参加し、花のアーチで熱烈歓迎。会場装飾はこの日のために生徒会が全力を挙げて取り組みました。

まずは、浦西中学校の生徒たちの力強い空手、琉舞、三線、エイサーです。
 


胡弓、三味線の哀調を帯びた調べに乗せて踊る「おわら」は手、腰の動きが何とも優美でしなやか。浴衣に編み笠で踊る姿は中学生ながら色気を感じさせました。照れずに真剣に舞う男の子たちにも感動。(浦西中の男の子は照れ屋さんが多いのです)
 

 

 

家庭・地域に見守られて

◆ 自治会長さん「一日校長」に

 学校と地域の連携をさらに緊密にしていくために、「一日校長」を実施しています。これまで、当山自治会長神山高成さん、当山ハイツ自治会長平良進三郎さんに一日校長を務めて頂きましたが、全校朝会の講話、校内巡視、授業参観、来客の応対など、校長と同じ仕事を体験してもらいました。
どの自治会長さんも「これまで見えなかった学校の姿がよく見えるようになりました」とおっしゃっていましたが、学校と地域の垣根が取り払われ、子供たちのために共に協力することができたら幸いです。なお、7月には安川団地の上原徹自治会長さんを予定しています。
 


 

◆ 盛大に部活動激励会

 6月3日、那覇地区中体連夏季総体を目前に控え、部活動育成会主催の激励会がありました。吹奏楽部演奏、野球部の筋肉体操、各部部長決意表明の後いよいよ昼食会。お母さん方が前日から準備したというカツカレーの美味しかったこと。なかには三杯もお代わりをした生徒がいたとか・・・。
 材料の買い出し、鍋やガスの準備など、部活動育成会長の西銘あゆみさんを中心に各部の父母会が協力し、五百食分ものカレーを作ってくださいました。
 これも地区夏季総体を頑張ってほしいという親心から出たものであり、本当にありがたいことです。絶対に勝たなきゃネ!
 


◆ 全校生徒がCGG運動に参加

 CGG (Clean Green Glacious) 運動
 日曜日は全県一斉に「万人すりてぃクリーン・グリーン・グレイシャス運動」が実施されますが、本校の生徒・職員も地域の一員として清掃活動に参加しています。 学級毎に割り当てられた自治会に集合し、地域の方々と一緒に空き缶・空き瓶拾い、 刈り取った草の袋詰め、運搬を手伝いました。午前中のわずかな時間ですが、正月前の大清掃が思いの外はかどったと皆さんに喜んで頂きました。
 終わった後は、お母さん方手作りのおやつを頂きながら交流会を持ちました。「皆さんは地域の子供たちだから、何かあったら気軽に相談してほしい」とおっしゃった自治会長さん。「来年も必ず来てくださいよ」と念を押していたおじさん、おばさん。地域の方々に見守られて生徒たちは本当に幸せです。
 


 

◆ Lマークで名画がいっぱい!

 初めて浦西中学校を訪れた方は、至る所に飾ってある絵画に感動するそうです。モネ、ルノアール、ドガなど美術の教科書で見たことのある絵は、眺めているだけで気持ちが明るくなります。これらの絵は、PTA健全育成部が情操教育を目的に全保護者に呼びかけ、Lマークを集めて購入したもので、もう十年あまりも続いているそうです。
 生徒のリクエストで、一昨年はフェルメールの「青いターバンの少女」、昨年はクールベの「流れに憩う鹿」を贈っていただきました。これで、校内の名画の数は26点になりますが、浦西中学校の宝物として、みんなで大切にしていきたいと思います。

 

老人会も元気いっぱい

 浦西中学校は運動会を隔年で実施しています。 運動会ともなると、生徒・保護者の演技、競技の他に、青年会のエイサー、職場対抗リレー老人会演舞などがプログラムに加わり大賑わいです。

 地域の皆が待わびている運動会。今年は11月18日(日)に行われます。

 

◆ 幕開けの舞は地域婦人会

 運動会のない年は学習発表会です。1年生は福祉・環境問題、2年生は職場体験、3年生は国際理解について、それぞれ「総合的な学習の時間」で学習したことを舞台の部、展示の部で発表しています。
 幕開けにふさわしい舞を地域の方々に依頼したところ、浦西団地自治会婦人部が快諾、「四つ竹」を踊って頂きました。


 

◆ 親子で汗を流しましょう  〜親子ふれ合い作業〜

 本校では、PTA環境整備部主催の親子ふれあい作業を年3回実施しています。6月の中体連夏季総体前、11月の運動会前、3月の卒業式前、割り当てられた学年は生徒・保護者総動員で清掃活動をします。
 普段、生徒たちでは手に負えない場所も、保護者の皆さんが草刈り機やチェンソーを使って瞬く間にきれいにしてくれます。今年は終わった後、県警本部少年課の眞喜志克也氏をお招きし「携帯電話など青少年を巻き込んだ犯罪について」というテーマで講演会を行いました。その後は、また・また、お母さん方手作りのソバで昼食会。楽しい楽しい親子ふれあい作業になりました。
 

 

 

◆ 結びに

◆ 地域にとけ込んだ家庭作り

 子育ては家庭が中心になりますが、その家庭を取り巻く地域との関わりの中でも、子どもは成長していきます。
 しかし、近年は、子どもの減少やお年寄りとの同居が少なくなり、子どもが親以外の人から学ぶ機会が少なくなっています。社会を作るのは私たち人間です。そこに住む一人一人が考え方を変えれば、社会も変わるはずです。一人の親のふるまいは、我が子のみならず周囲の子どもにとっても望ましい地域環境につながるという考えで、地域作りに参加したいものです。親は、地域の人々との日常のつきあいを大切にし、地域の子どもは地 域のみんなで育てる心をもちたいものです。
 子どもたちに、スポーツや地域の催し、行事、勤労体験などの機会を通して、共に手を携えて活動することの喜びを体験させることです。 そうした活動が、地域にとけ込んだ家庭作りにつながっていくことでしょう。

宮崎県青少年育成県民会議著  かがやく瞳「子育ての手引き」より


 子どもたちの幸せを願って学校・家庭・地域が一つになったとき、社会さえも動かす大きな力が発揮できると思います。地域の学校として家庭・地域の声に謙虚に耳を傾け、学校経営に反映させていきたいと考えております。至らない点も多々あることと思いますが、どうぞ、今後とも、ご指導・ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。

( 校長 大城 涼代 )

 

浦西中学校ホームページ

 

 

掲載:2007/07/04

 

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